Grampusのブログ

主にコンピュータ将棋関連の話題を扱います

大会2日目・後半戦の対局について

【大会2日目について・後半戦】
Grampusは5回戦終了時点で2位。このまま順調にいけば上位も狙えそうでしたが…。
というのはさっき調べたことで、2週間も前でしかも福岡遠征前の話なので記憶が一部飛んでたりします( ;∀;)

6回戦 dlshogi
やはり通常通りメイン評価関数、定跡80手、千日手は-256の設定です。途中まではほぼ互角の推移でしたが、66手△8四銀が勝敗を左右した(なぜか読み抜けしやすい)一手で、先手の67手▲8三歩が痛打でここで一気に後手が悪くなりました。勝敗はこれでほぼ決まり、後はdlshogiに押し切られ完敗でした。

7回戦 GCT
Grampusは先ほどの敗戦で4位転落。この時点で2位の強豪GCTと後手番でどのように戦うか難しいところですが、通常通りメイン評価関数、定跡80手、千日手は-256(基本的に千日手を避ける)の設定。序盤から徐々に悪くなっていって評価値が-200を超え不利になったところでGrampusの千日手逃亡モードが発動(笑)それからひたすら長手数の千日手模様が続き、結果的に0.6勝の千日手ということになりました。

8回戦 dolphin(illqha)
北濃厚だったGCT戦で千日手の0.6勝を拾ってこの時点でまだ4位に踏み止まっています。強敵のdolphin(illqha)が対戦相手ですが、やはり通常通りメイン評価関数、定跡80手、千日手は-256(基本的に千日手を避ける)の設定。対戦経過ですが、序盤からじわじわと微妙なリードを稼いでいってdolphinの千日手模様にも拒否モードが発動して(笑)徐々にリードを広げて勝利することができました。

9回戦 二番絞りプレミアム生
ついに最終戦です。この時点でGrampusは3位、GCTとみずうら王が負けてGrampusが勝利すれば逆転優勝の可能性も残されていました。この状況でAmaetadineさんがGCTを見事に誘導して千日手!(唆してしまったのはそう、わたしです。GCTセンニチテニユウドウシヤスイデスワヨ( ゚д゚)ヒソヒソ…(゚д゚; ))あとはGCTとみずうら王のソルコフ勝負になりそうでしたが、BURNING BRIDGESが千日手模様を打開して見事にみずうら王に勝利!これでGCTの優勝が決定しました。
さて、Grampusの対戦相手は二番絞りプレミアム生。本日は諸般の事情でノートPCだったそうですが、前日に当たっていたら勝つのは厳しい相手だったと思います。先手横歩取りの序盤から徐々にリードを広げ、最終戦を無事勝利で飾ることができました。

【第1回世界将棋AI電竜戦の最終結果】

第1回世界将棋AI電竜戦はGCTさんが優勝!DL時代の幕開けを告げる見事な強さでした!おめでとうございます。
2位はGrampus望外の結果であり僥倖としか言いようがありません。参加者、関係者の皆様、本当にありがとうございました!
3位はQhapaq Overfit Adventureさんです!TAKESHI賞も受賞して振り飛車に希望を見出してくれました!
4位はみずうら王 with お多福ラボさんです!今回は指運に恵まれなかったようですがNNUE最強だったと思います!
5位はBURNING BRIDGESさんです!丁寧に作成した定跡と評価関数は強かったと思います!

各賞を受賞した方々もおめでとうございます。特に若竜賞とB級優秀賞に入賞したkoronプロジェクトさん、おめでとうございます!

【おわりに】
電竜戦終了後もコンピュータ将棋の状況は動き続けています。次の大会に備えて私も頑張りたいと思います。繰り返しになりますが参加者、関係者の皆様、本当にありがとうございました!

大会2日目・前半戦の対局について

【大会2日目・前半戦】
2日目に起きれるかどうか心配でしたが、何とか起きることができました(一応PCは前日から接続しっぱなし)。A級総当たりで熾烈な戦いが想定される中、いかに最善を尽くすかを考えて戦略を練りました。

1回戦 Qhapaq Overfit Adventure
対戦相手は振り飛車と想定し、評価関数は対振り用、千日手はやはり-256の設定です。
序盤はで少しリードできたようですが、その後難解な局面になり結果的に逆転され、その後は徐々に押されていき完敗でした。

2回戦 BURNING BRIDGES
連敗する訳にはいかない状況で対戦相手がBURNING BRIDGES、しかも後手番で少し絶望。千日手誘導も考えましたが、A級リーグ初戦で敗北していることもあり、通常通りメイン評価関数、定跡80手、千日手は-256の設定でガチ対戦。
序盤は一進一退の攻防でしたが、67手▲6三歩が厳しく徐々にリードを広げられていきました。100手を越えたあたりから徐々に挽回し、122手△5五桂以降相手を反省させてこちらのペースに。その後は徐々にリードを広げることができ、何とか勝利することができました。

3回戦 Amaetadine
1日目では完敗した相手です。設定及び評価関数はそのまま。中盤までやはり一進一退の攻防でしたが、先手の2二の歩を放置した68手△8七歩成が良くなかったらしく、69手▲2一歩成以降徐々にリードを広げて何とか勝利することができました。

4回戦 みずうら王 with お多福ラボ
ここまで圧倒的な強さで連勝中の優勝候補筆頭との対戦です。1日目の初戦で完敗した相手でもあります。水匠ではありませんが明らかに水匠のパワーアップ版です。水匠不参加を惜しむやつは地球規模で考えるんだ。
さて、最強ソフト相手に先手番でどのような戦術を取ればいいのか考えました。
・メイン評価関数、定跡80手、千日手-256の通常通りの設定で玉砕モード
・勝つのは諦め、0.4勝を狙うために千日手誘導
・先手番ということもあるので 振り飛車評価関数を使用して相手の定跡を外しつつ対抗形に持ち込む
結局、振り飛車評価関数を使用するという奇襲ともいえる戦法を選択しました。
ところが振り飛車評価関数のはずなのに5手目▲2六歩でアチャーとなりました(笑)その後なんとひねり飛車の展開になり、徐々にリードを奪うことに成功しました。ところが中盤の△7七歩成以下、隙を逃さずにみずうら王が反撃、評価値ではほぼ互角の状況にまで戻されました。しかしその後のみずうら王の猛攻を何とか凌ぎ切って徐々にリードを奪うことに成功し、大きな勝利を手にすることができました。

5回戦 いちびん
通常通りメイン評価関数、定跡80手、千日手は-256の設定です。序盤はまたもやひねり飛車の手順になりましたが、徐々にリードを広げていって何とか勝利することができました。

戦いはさらに苛烈を極める2日目・後半戦に
つづく!

大会1日目

【大会1日目の対局について】

1回戦 みずうら王
いきなり王者との対戦です。定跡を30手までに設定したため、角換わり腰掛け銀の例の局面以降62手までみずうら王の定跡通りの進行にハマってしまい、ほぼ完敗でした。

2回戦 きふわらね
振り飛車評価関数を使用しましたが、特に飛車を振る素振りもなく27手で勝利できました。

3回戦 AobaZero
同じく振り飛車評価関数を使用。後手振り飛車でしたが、中盤から徐々にリードを広げて勝利することができました。

4回戦 Viper
ここからメイン評価関数。定跡を80手、千日手は-256の設定です。先手だったこともあり、序盤からじわじわとリードを広げてなんとか勝利することができました。

5回戦 習甦
またしても強豪です。設定はそのまま。一進一退の攻防でしたが、中盤からリードを広げて勝利することができました。

6回戦 nozomi
強豪との対戦が続きます。予行演習で敗北しているので厳しい戦いを覚悟していましたが、同様に中盤からじわじわとリードを広げて勝利することができました。

7回戦 deqshi
やはり強豪との戦いが続きます。序盤から厳しい戦いでしたが、相手の馬をうまく封じることができて勝利することができました。

8回戦 Novice
厳しい戦いはまだまだ続きます。序盤から少しづつリードを広げることができ、勝利することができました。

9回戦 Amaetadine
A級リーグ進出の強豪です。序盤はうまく指せたようですが、中盤以降リードを広げられて完敗でした。

10回戦 どうたぬき
この対局でA級リーグ進出できるかどうか決まるという厳しい戦いです。負けか千日手でB級確定の状況でしたが、中盤以降うまく指せたようで何とか勝利することができました。

【大会1日目の総括】
当日はマッチングについて思わず不満を漏らしてしまいましたが、56チームともなるとなかなか難しいものがあったと思います。そしてGrampusがA級通過の他の9チーム中2チームしか当たらなかったのはやはりラッキーだったと思います。こういった運も重なって何とかA級リーグに滑り込むことができました。

2日目については・・・つづく!

第1回世界将棋AI電竜戦の参加記録です

Grampusの第1回世界将棋AI電竜戦の参加記録です。
参加名は、予行演習4と同じくGrampusです。由来は英語の「鯱」です。

・評価関数について
今回、使用した評価関数は3つです。

・Grampus4_test75
メインで使用の居飛車評価関数です。予行演習4で使用したGrampus4_test41(水匠2からの追加学習)とGrampus4_test60(elmo2020からの追加学習)をたまさんのNNUEツールでマージしたものです。3000万ノードで検証したところ、上記の評価関数と同等以上の検証結果が得られたので採用しました。

・Grampus4F_test18(Cendrillon評価関数)
振り飛車評価関数です。予行演習3で使用した振り飛車を指さない振り飛車評価関数と、shinderella-0825を無学習で出力したものをやはりたまさんのNNUEツールでマージしたものです。1500万ノード及びfloodgateでの検証でさほど悪い結果ではなかったので採用しました。

・Grampus3_test80
振り飛車用に用意しました。対振り用なので出番があまりない上によい結果も出せませんでした。

・定跡について
最近の棋譜をもとにテラショック定跡を生成したものの、残念ながら思うような結果が得られませんでした。調整する時間もなかったので、急遽たまさんの定跡ファイルを使用させて頂くことになりました。